2020/02/26
誤嚥性肺炎の予防 就寝前など口腔ケアを
肺炎の原因には、風邪をこじらせて重症化することだけではなく、食べ物などが誤って気管に入る「誤嚥(ごえん)」もあります。口の中の細菌が食べ物と一緒に気管や肺に入ることで起こるため、「誤嚥性肺炎」と呼ばれています。体力の低下し、咳き込む力が弱くなる高齢者は誤嚥しやすいので、特に注意が必要です。
誤嚥は食べ物だけではなく、本人も周囲も気付かないのが唾液の誤嚥です。寝ている間に唾液が気管に流れ込むことも珍しくありませんので、普段から口の中を清潔にしていないと、誤嚥性肺炎を引き起こしかねません。就寝中は口の動きが少なく、細菌が増殖しやすくなるため、寝る前や起床後の口腔ケアは極めて重要です。
歯磨きやうがいは、虫歯や歯周病、感染症予防のため、多くの人が普段から行っている基本的な口腔ケアです。口臭の原因でもある舌についた汚れを取り除く「舌みがき」も誤嚥性肺炎の予防に効果があります。歯磨きの後に習慣づけてはいかがでしょうか。命に関わる肺炎を予防するため、少し意識して口腔ケアに努めましょう。
(但馬長寿の郷 理学療法士)
(神戸新聞 令和2年2月22日転載)