2021/02/08
認知症と生活 家族ら協力、手助けを
認知症の症状は、もの忘れや調理など複雑な作業に時間がかかる、買い物で小銭の支払いができなくなるなど多様です。失敗が増え、時間もかかると、それをきっかけにしなくなり、さらにできないことが増えるといった悪循環になります。
ただ、生活面の失敗も、少しの手助けや工夫によってできるようになることがたくさんあります。
先日訪問した女性は、冷蔵庫の中の食材を覚えられず、同じ物を何度も買ったり、調理の手順が分からなくなったりして、自信をなくして落ち込んでいました。それでも支払いはできるし、野菜を切ることや味付けは得意です。
そこで、家族の協力で、買い物の前に買う物を一緒に考え、メモを持つようにしました。調理でも全て手伝うのではなく、野菜を切ることや味付けは自分で続けて、苦手な点は家族がするように工夫しました。すると、買い物や調理の失敗がなくなり、自信を取り戻せました。
生活の中で失敗が増えてきたら、地域包括支援センターに相談してください。生活上の工夫について専門職と一緒に考えてみませんか。
(但馬長寿の郷 理学療法士)
(神戸新聞 令和3年1月9日転載)