神戸新聞一覧

2020/04/22

シルバーカー 自分で歩いて行こう

 「歩くこと」に自信がなくなると面倒になり、行動範囲が狭くなってしまいます。先日、「但馬長寿の郷」のすこやかセンターに来られた80歳代の女性は、普段から腰を曲げ、膝に手をついて歩くため、屋外で歩く距離が長くなると足腰がつらくなって困っていました。家族旅行を計画されていましたが、旅程を全うできるか不安に感じ、楽に歩くことができる方法が何かないかと相談に来られたのです。

 この女性は、脚力がしっかりしており、何かを支えにして上体を起こすことができれば、曲がった腰が伸び、足取りも軽やかに歩くことができます。そこで、体を支えることができるハンドルがあり、車にも積み込みやすい「シルバーカー」の利用を勧めました。シルバーカーを選べば、疲れた時に座れて安心です。

 年寄りじみているなど、シルバーカーを使うことに抵抗感を抱く方もいますが、大切なのは面倒がらず「行きたいところに行く」ことです。

 すこやかセンターでは、多数のシルバーカーを展示しています。リハビリ専門職による相談もお受けしていますので、ぜひご連絡ください。

 

(但馬長寿の郷 理学療法士)

(神戸新聞 令和2年4月11日転載)