2018/07/13
フレイルの予防 健康な状態で長寿を実現
前回、「健康と要介護状態の中間」を示す「フレイル」について紹介しましたが、今回はその予防法などをお伝えしましょう。
昨年度、県立但馬長寿の郷が、高齢者大学や体操教室の参加者など但馬で元気に暮らす高齢者を対象に調査しました。その結果、回答者860人のうち、108人(12.6%)にフレイルの兆候があると分かりました。
具体的には、転びやすい▽目が見えにくい▽急にやせた―など、体の機能低下があります。また、近所付き合いや地域での役割の減少など、日常の活動性の低下もありました。
しかし、過度の心配は無用です。フレイルの人は、予兆を感じてから数年後に生活に支障が出やすい半面、早めに手立てを講じれば、健康な状態に戻りやすいとも言われます。
そこで重要なのは、予防です。主なポイントは①体を動かすこと②必要な治療を怠らないこと③ボランティアや趣味などの楽しみを持つこと―などです。加えて、栄養のバランスの取れた食事も欠かせません。
また、「人との交流が週1回未満の人は要介護状態になりやすい」「よく笑う人は気持ちが前向き」との研究発表もあります。 まずはしっかり食べて、毎日外出し、人との交流を楽しむ暮らしを続けましょう。
(但馬長寿の郷 理学療法士)
(神戸新聞 平成30年5月19日版転載)