2022/02/17
冬にも多い脱水症 小まめな水分摂取を
脱水症と聞くと夏のイメージがありますが、意外と多いのが冬の脱水症です。「冬は寒いので水分を取り過ぎるとトイレが近くなる」という理由から水分を控えたり、暖房器具を使うため空気が乾燥して目や鼻の粘膜、皮膚から水分が蒸発したりするためです。また、冬に流行するノロウイルスなどの感染症にかかると、下痢や嘔吐(おうと)による水分不足で脱水症になることがあります。
症状は、失われる水分量によって変わります。初期は喉の渇きといった水分不足の症状ですが、進んでくると食欲不振になったり、さらに進むと頭痛や吐き気、めまいなどが現れたりします。せん妄という意識障害が引き起こされて、記憶障害や妄想、幻覚などの症状が出ることもあります。また、脱水症により血液が濃くなることで血のかたまりができ、脳梗塞や心筋梗塞といった病気を引き起こすこともあります。
高齢になると、喉の渇きを感じにくくなります。「喉が渇いたな」と思ったときには、既に脱水症になりかけているかもしれません。冬は汗をかかないからと油断せずに、小まめな水分摂取を心掛けてください。
(但馬長寿の郷 作業療法士)(令和4年1月15日 神戸新聞転載)