神戸新聞一覧

2022/09/16

夏場の脳梗塞予防 こまめな水分補給が重要

 脳梗塞は、脳の血管が何らかの原因により詰まることで起こる病気です。片側の手や足、顔などに麻痺が出たり、言葉が出にくかったり、ろれつが回らなかったりといった言葉の障害が出現します。このような症状が見られた場合、できるだけ早く救急車を呼び、医療機関での治療が必要ですが、まずは、脳梗塞を予防する取り組みが大切です。

 夏場は、汗をかくことが多いので、脱水による体の水分不足が起こりがちです。脱水になると血液が「ドロドロ状態」になって脳の血管が詰まりやすくなります。

 特に暑い夜は就寝中の発汗による脱水が起こりやすく、血流が滞り血管が詰まりやすくなります。さらに飲酒は尿量を増加させるため、脱水の原因になり、これらが重なると脳梗塞が発症しやすくなります。

 このような夏場の脳梗塞を予防するには、脱水状態にならないよう、こまめな水分補給が重要となります。就寝前には大量の飲酒を避け、コップ1杯の水分を取りましょう。また、暑さを感じないからといって冷房を控えず、室内温度計なども活用して適度な室温を保つようにしましょう。

(但馬長寿の郷 理学療法士)  (令和4年7月30日 神戸新聞転載)