神戸新聞一覧

2019/02/26

安定感のある四点杖 歩く速度や場所に合わせて

 先日、70代の女性から、安定して体を支えられる杖が欲しいとの相談がありました。

 脳卒中が原因で、今も片方の手足にまひが残る女性は、現在使っている一般的な杖では安定感がなく、不安を感じているとのことでした。実際に歩くところを見ると、強くは握っていますが、杖がぐらついて、上体がしっかり支えられていないことが分かりました。

 そこで、「四点杖」を提案しました。これは、杖の先が四つの足に分かれているため、より安定して体を支えることができます。一方で、すべての足を均等に着地させる必要があるため、歩く速度はゆっくりとなります。また、デコボコ道や坂道には不向きです。

 この女性の場合、歩く速度はゆっくりで、日頃は平たんなところしか歩かないとのことでしたので、この杖を使うことで不安を解消することができました。

 お使いの杖が不安定と感じておられる方は、一度試してみてはいかがでしょう。但馬長寿の郷にある「すこやかセンター」には、四点杖だけでなく、いろいろな種類の杖を展示していますので、お気軽にお立ち寄りください。

 

(但馬長寿の郷 理学療法士)

(神戸新聞 平成31年2月2日転載)