2018/12/05
家族による体調管理 わずかな変化見逃さずに
認知症の場合には、自分自身の体調を的確に伝えられないことがあり、周りの人が早めに不調に気付かなければ、大事になる場合があります。
先日訪問した90代の女性は、時々家族に「しんどい」と訴えていました。しかし認知症のため「どこが」「どのように」など、具体的な内容を伝えることができません。女性がたびたび食事のときにむせることから、誤嚥性肺炎を心配しました。そこで、毎朝家族と一緒に体温を測り始めました。こうしたことで、家族も女性の体調に気を配るようになりました。
また、デイサービスを利用する際に、朝に測った体温を、職員に連絡することにしました。その結果、微熱がある場合には、こまめに水分を補給する▽顔色をよく観察する―など、体調に応じた適切な対応を取ってもらえるようにもなりました。
体調が悪い原因はさまざまです。高齢者の場合、肺炎は身近な病気ですが、熱や咳などの症状が出にくいため、周りの人がわずかな体調の変化を見逃さないことが非常に大切です。
日頃から家族が高齢者の体調の把握に努め、わずかな変化にも気付き、早めの受診につなげるよう心がけましょう。
(但馬長寿の郷 理学療法士)
(神戸新聞 平成30年10月27日転載)