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2019/04/10

杖先ゴム 雨の日でも安心して外出を

 ある日、但馬長寿の郷すこやかセンターに、70代の男性が相談に来られました。「外出時には杖を使っています。先日、雨の日に買い物に行った際、マンホールや店のぬれた床で杖の先が滑って転びそうになりました。雨でも安心して外出したい」とのことでした。そこで、素材のゴムにガラス繊維が配合された「杖先ゴム」を紹介しました。

 雨の日には靴底と床面の間に水の層ができ、滑りやすくなります。それは杖を使っていても同じです。車なら、積雪時にはスリップしないように冬用タイヤがあるように、杖にも滑り止め加工された杖先ゴムがあるのです。

 「転ばぬ先の杖」ということわざがありますが、体を支えるはずの杖が滑って転んだとなれば、笑い話にもなりません。転ばないためには、杖先ゴムも大切な用具です。特に冬の但馬では滑りやすいので十分気をつけてください。

 この男性は早速、自分の杖の太さに合った杖先ゴムを購入し、雨の日でも安心して外出できるようになったと喜んでいたそうです。

 杖先が滑った経験のある人も、そうでない人も、一度「杖先ゴム」の変更を検討されてはいかがでしょうか。ご相談はお近くの福祉用具販売店まで。

 

(但馬長寿の郷 理学療法士)

(神戸新聞 平成31年3月16日転載)