2020/12/16
糖尿病と足のやけど 冬場は感覚障害に注意を
今回は糖尿病と冬場に気を付けたい低温やけどについてお話しします。
糖尿病は、血糖値が高くなると血管が損傷されて傷が治りにくくなったり、神経に障害が起こって感覚が鈍くなったりすることがあります。冬場は分厚い靴下を履き、こたつやストーブに長時間あたる機会も多いため、気付かずにやけどを負うことが起こりやすい時期です。
糖尿病のある80代男性の訪問時に「歩きにくい」との相談を受けました。くるぶしがうっすらと赤くなり、軽度の低温やけどでした。「今、気が付いた。いつ赤くなったのか分からない」とのこと。足を触っても分かりにくい感覚障害を起こしており、こたつの熱源にくるぶしがあたっていることに気付かずに、長時間横になっていたため、知らないうちにやけどを負ったのです。
男性は薬の飲み忘れがあり、知らない間に糖尿病の症状が進行していたと考えられたため、すぐに受診を勧めました。
肌の露出機会が少ない冬場は、入浴時など肌を出す機会に意識して全身を観察し、少しでも異常があれば早めに相談しましょう。
(但馬長寿の郷 理学療法士)
(神戸新聞 令和2年12月5日転載)