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2020/12/16

認知症どう予防 生活習慣の意識付けを

 年齢を重ねると、誰もが認知症になる可能性があります。認知症を予防するには「危険因子」と「保護因子」の二つのことを考えることが必要です。危険因子とは、認知症発症につながりやすい生活習慣のことで、保護因子とは認知症発症予防につながる生活習慣のことをいいます。

 危険因子とされる生活習慣は、喫煙や過度の飲酒などを起因とする糖尿病や高血圧、肥満・脂質異常などが発症のリスクを高めます。

 保護因子となるのは運動や栄養、休憩・睡眠、社会参加に気を配る生活習慣のことです。1週間に90分以上の運動習慣▽バランスを心掛けた食事▽歯の健康を保つ▽7時間程度の質の良い睡眠をとれている▽家の中で閉じこもらずに、新しいことに挑戦したり、友人や近所の人と交流して社会とつながる機会を持ったりする―などが認知症発症のリスクを下げます。

 認知症予防には、抑制すべき習慣と心掛けるべき習慣の二つの生活習慣を意識することが重要です。喫煙や酒の飲み過ぎに注意しながら、運動や栄養、閉じこもりに気を付けた規則正しい生活を送りましょう。

(但馬長寿の郷 理学療法士)

(神戸新聞 令和2年11月21日転載)