2018/03/29
車いすの介助 「ボード」活用で負担を軽減
先日、80代の母親を介護する女性から「最近肩や腰に痛みが出ることがあり、母を車いすに移すのがつらくなってきた」という相談を受けました。詳しく聞くと、介助の際、母親の脇の下に手を回して抱きかかえているとのこと。この介助方法が肩や腰の負担になっているようでした。
そこで、車いすに人を乗せる場面で役立つ「スライディングボード」という福祉用具を紹介しました。このボードは、車いすの肘置きを取り外した上で、ベッドと車いすの座面を橋渡しするように置いて使います。介助を受ける人はボードの上に腰掛け、座ったままスルッとお尻を滑らせることで、車いすに乗り移ることができます。
女性に試してもらうと、「これまでのように体を持ち上げる必要がないので、とても楽」と言ってもらえました。
ボードを使うには、車いすの肘置きが着脱できる▽ベッドの高さが調整できる▽介助を受ける人は背もたれがなくてもしっかり座れる―などの条件が必要ですが、介助の負担を軽減する方法の一つです。使ってみたい方は、担当のケアマネジャーにご相談ください。
(但馬長寿の郷 理学療法士)
(神戸新聞 平成30年2月24日版転載)