世界保健機関（WHO）が発表した2021年版の世界保健統計によると、日本は、世界で最も平均寿命が長い国とのことです。長寿世界一は大変喜ばしいことですが、一方で「長い人生をどう過ごすか」という課題もあります。

　高齢になればなるほど、話す人や行くところ、することがだんだん少なくなってしまい、それが、元気ややる気を失う原因となります。これらの課題を解決するために、今、注目されているのが「通いの場」づくりです。

　通いの場とは例えば、公民館での体操教室、趣味の会、サロン活動などです。大切なことは、歩いて通える身近な場所にあることです。歩いて出掛ける、人と会って話をする、運営の手伝いをする、相談したり相談に乗ったり、笑ったり、食べたりなど、通いの場には「体」と「頭」と「心」を動かす秘訣がたくさん詰まっています。

　長い人生を過ごす準備の一つとして、通いの場を探してみませんか。一人の方が気が楽だという人もいると思いますが、一人で過ごすだけでなく、少人数でも良いので、人とつながる場所を探しましょう。

　　（但馬長寿の郷　　理学療法士）　　（令和4年6月18日　　神戸新聞転載）