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2020/03/27

骨粗しょう症の予防 適度な運動で骨の強化を

 2016年の厚生労働省の調査では、要介護者が介護を必要とするようになった主な原因の一つが「転倒・骨折」です。骨折すると安静にすることが必要で、高齢者の場合、完治しても歩けずにそのまま寝たきりに陥ることが少なくありません。

 高齢者の骨折リスクを高めている要因の一つが骨粗しょう症です。骨密度が減少し、骨がスカスカでもろくなる現象で、加齢とともに増える病気です。そうなると普通なら問題のない程度の軽い衝撃が加わるだけでも骨折しかねず、要介護状態になるリスクが増大します。

 骨粗しょう症の予防には、まず骨の元となるカルシウムを補うことが重要です。牛乳やチーズなどの乳製品は吸収率が高く、1回の摂取量も多いので大変、効率的です。日光浴は、カルシウムの吸収を促すビタミンDを体内に作ります。適度な運動は骨を刺激し、骨を作る細胞が活発になり、骨の強化に効果があることが研究で証明されています。

 これから暖かく活動しやすい季節になります。新型コロナウイルスが収束したら、骨を強くするためにも、お日さまのもとでの適度な運動を心掛けましょう。

 

(但馬長寿の郷 理学療法士)

(神戸新聞 令和2年3月7日転載)